開発品紹介
02/2022
透明圧電フィルム(開発品)
ダイキンが開発した「透明圧電フィルム」は、力や歪、温度変化と電気エネルギーを双方向に変換できる「強誘電性」と呼ばれるユニークな性質を持ちます。さらに、透明性、柔軟性にも優れるため、感圧タッチパネルやウェアラブルデバイスのキーマテリアルとして期待されています。
強誘電性材料とは
電圧処理をすることによって、無電界下で分極状態(+/-)が維持され、圧電性(応力/変形と電気信号の変換)と焦電性(温度変化と電気信号の変換)を併せ持つ材料です。
図1 強誘電性とは(圧電性と焦電性)
ソリューション
ダイキンの透明圧電フィルムは、様々な圧電、焦電用途に加え、その高い光学特性(高透明、低ヘイズ、低複屈折率)を活かした光学フィルムとしての応用にも適しており、感圧タッチパネルなどでの応用が期待されます。特に柔軟で屈曲耐久性の高いフィルムであり、フレキシブル、ウェアラブルデバイスにも適しています。
図2 フィルム外観
図3 フィルム外観(高透明性)
特長・ラインナップ
・透明かつ圧電性が高い
・延伸PVdFに比べて圧電耐熱性が高い(図4参照)
・等方性 (面内縦横の物性差(複屈折率、d31≒d32)が小さい)
・信頼性
-高温高湿試験: 85℃/85RH%×240hr で有意劣化なし
-ヒートショック試験: -40℃⇔85℃×200cycleで有意劣化なし
-低熱収縮率:75℃×1hr試験で0.9%以下、特にY40-Tでは0.2%以下
・独自の連続加工技術による、バラツキや欠陥の少ない高品質フィルム
-ロール仕様(幅 (mm) :500 、長さ (m) :50 - 300)(図5)※樹脂での提供も可能です。
表1 透明圧電フィルム(開発品)の物性/機能表
図4 透明圧電フィルム(開発品)の電気物性
(90℃におけるd33の経時変化)
図5 ロール外観
想定市場・用途
・情報端末/PCにおけるHMI(Human Machine Interface) (デュアルディスプレイや折り畳みデバイスなどのフラットキーボードや近接人感センサー、超音波センサー)
:透明で高感度な圧電、焦電フィルム
-
・自動車(ナビタッチパネル、シートセンサー、衝突衝撃センサー)
-
:意匠性に優れたフィルム
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・ヘルスケア(マットレス型の睡眠センサー、脈拍・心拍センサー)
:柔軟性や繰り返し応力耐久性に優れたフィルム
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・FA/産業機器(機器異常(振動)センサー)
図6 想定市場・用途イメージ
*記載の数値や成形例は代表であり、本開発品の品質や特性を保証するものではありません。
また、本開発品は一般産業用であり、医療機器の適性や安全性を保証するものではありません。
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